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~内部統制・リスク管理

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経営陣と現場が抱える課題の共感度を高めるには

経営陣と現場との意識の壁 業種・規模の大小に関わらず、経営者というのは大変です。昨今の経営の迅速化、現場でのスピーディーな判断を要することなどから、権限移譲が主流となっていますが、だからといって企業のトップが知らなかったで済むわけではありません。権限移譲をした部下が何をやろうとすべての責任がその部下に課せられるわけではなく、依然としてトップは責任の一旦を担っているのです。  一方、現場は現場で常にジレンマを抱えています。権限は移譲されたものの、今の成熟した市場では、ものが思うようには売れず、かといって責任の一旦はトップにあるから、それを無視して自分の権限ですすめることもできない。「自分はやっているのに、トップはそれを理解してくれない」「取引先との交渉について、無茶を言ってくる」などの愚痴もちらほらと聞こえてきそうですね。 このような両者の意識の壁は、どのようにしたら取り払うことができるでしょう。 壁を取り払う4つのポイント 組織を変える必要があるという共通認識を持つこと 経営陣には経営陣なりの、現場には現場なりの言い分があります。人は衝突を避けようとするのが常ですから、これらの調整をして、落としどころをみつけようとします。が、それはお客様を無視した、会社にとっての妥協案にすぎません。ここで大切なのは、会社にとっての目的は何か、それを実行するためには何が最善か、ということです。 そして、今までのやり方ではだめなのだ、新しい方向性を見出す必要があるのだということをお互いに認識することが必要となってくるのです。  場合によっては経営者の独断で有無を言わせず変えていくこともあるでしょう。ただ、こういうワンマン的な手法では、現場に不満を生じさせます。ですから、可能な限りはその必要性を現場や経営陣に説いて、双方納得のうえでやり方を変えていく方がうまくいきます。共通認識が得られないという場合は、本当に新しい方向性を見出す必要性があるかどうかの検討が充分でない、コミュニケーションがとれていないと言うこともできます。 すべての社員がCS(顧客満足度)を理解し、行動変容を促されるような共通認識を持つことが重要です。 強力な意思決定の仕組みを作り上げること 経営陣と現場に限らず、会社という組織には個人間・部門間と何がしかのしがらみがあります。これらの利害は決して一致することはありません。ですから、これらのしがらみを切ってでも、CSを第一とした強力な意思決定の仕組みが必要になります。これは、自然には出来上がりません。会社のトップが意図的に権限を与えなければできないことです。 この成功例がユニヴァーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)です。 USJは、マーケティング責任者が、テーマパークのエンターティメントに最終責任を持つという横断的仕組みに組織変更をしました。そして、2015年10月には東京ディズニーリゾート(TDR)を超えて、日本一のテーマパークへとなりました。その経緯は『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』(森岡毅:著.角川書店.2016)に詳細に書かれています。 相手に伝わる言葉で話すこと コミュニケーションの大切さはわかっていても、相手に合わせた言葉でなければ伝わるものも伝わりません。北海道のリサイクルショップ企業じゅんかんシステムの中西社長は、インターネットによるコミュニケーションを利用して、毎日社員向けにメールを送り続けました。その内容は具体的で、中にはバックヤードを訪れた時の様子とその対応を褒めているものもあります。 このように、経営陣から現場へ伝えるときには、抽象論でなく、現場の活動に直結する言葉でやるべきことを伝えなければなりません。この逆に、現場から経営陣に意見をあげるときは、現場レベルだけの内容を伝えるのではなく、それが会社にとってどのようなメリットをもたらすのかといった、大局的な視点から伝えることが必要となってきます。 課題や対策法を各自の行動レベルに落としこむこと 現場の意識が最も変わるのが、組織のものとして検討してきた課題や対策法を各個人のものとして落としていく瞬間です。それまで他人事のように意見してきた人たちの真剣度が変わり、このタイミングを機に、一気に目的に向かって走り出します。これには、経営陣や組織長が、相手に伝わる言葉で話すことが前提であることは言うまでもないでしょう。 マネジメントとは? ドラッガーは、マネジメント論のなかで、すべての組織を社会の機関として位置づけました。そして、組織が社会の機関である以上、社会やコミュニティ、個人のニーズを満たすために存在しなければならないと指摘しています。 企業にとって社会やコミュニティ・個人は、顧客とひとくくりに表現することができるでしょう。したがって、企業は顧客のニーズを満たし続けなければなりません。これこそが、マーケティングでいうところのCS(顧客満足度)です。 現在では、マネジメント論やマーケティング論は、別個に語られることが多くなっていますが、これらは相互に補完しあうものです。CSを第一の目的として、現場を目覚めさせるマネジメントこそ重要な手法であるといえるでしょう。